糖尿病 | |
糖尿病は、一言でいえば「血糖値が異常に高くなり、尿にブドウ糖が排泄される状態で、その原因は、インスリンの不足のため、炭水化物をはじめ、たんぱく質や脂肪などの栄養素がうまく利用されなくなったため」です。 私たちは口から食物を摂取することで栄養を得ています。その栄養分の中でも糖尿病と深く関わる栄養素が糖質です。 糖質は体内でブドウ糖に変化して腸で吸収され、血糖として細胞に運ばれています。そしてその血糖が細胞でエネルギー源となるためにはインスリンというホルモンが必要になります。 インスリンは膵臓のβ細胞から分泌され血糖調節の役目を果たします。血糖が一定に保たれているのは、血液中の糖の供給と血液からの糖の消失のバランスが取れているからです。 しかし、体の中で何らかの原因でインスリン不足が生じると血糖が血液中に溜まってしまい、病気を引き起こしてしまいます。 ◎糖尿病の種類 ・インスリン依存性糖尿病 ・インスリン非依存性糖尿病 ◎特徴・原因 (インスリン依存性糖尿病) ・急速に発症し、ケトーシスをきたす傾向が強いです。 ・インスリン注射を必要とします。 <原因・発症因子>遺伝、ウイルス感染、自己免疫機序 (インスリン非依存性糖尿病) ・最も多く見られる糖尿病です。発症年齢は40歳代以降に多いです。 ・ケトーシスの傾向は少ないです。 ・食事療法、運動療法で管理できます。 <原因・発症因子>過食、肥満、偏った食事の摂取、運動不足 精神的ストレス、頻回の妊娠、お産。 ◎糖尿病に関わるホルモン ・インスリン 膵臓のβ細胞から分泌されます。 血糖値を下げる働きをする唯一のホルモンです。 ・グルカゴン 膵臓のα細胞から、分泌されます。 血糖を上げるには重要な働きをするホルモンです。 高血糖時には分泌を抑制し、低血糖時には分泌を亢進します。 ◎症状 ・多尿、頻尿になります。 ・喉や口が渇きます。 ・過食 ・全身倦怠感 ・目がかすむ。 ◎合併症 血管障害、神経障害、感染症 ◎治療 1、食事療法 2、運動療法 3、薬物療法 1、食事療法 ・食品交換表になれ、食事の質と量を検討し、その量を計算します。 ・食事の味付けは薄味にします。砂糖、塩分の量に気をつけます。 ・動物油を控え、植物油を摂取するようにします。 ・野菜、きのこ類、海藻類を十分に摂ります。 ・食事は時間をかけてゆっくりと食べます。 ・肥満傾向にある人はなるべく標準体重に近づけます。週に1回は体重測定を行います。 3、薬物療法 ・インスリン ・スルホニル尿素剤 ・ビグアナイト剤 これらの薬剤は、食事療法、運動療法で十分なコントロールが得られない場合に対して行います。 高血糖が続くと、使われないブドウ糖はアルコール変性(ソルビドール)となり、血管や神経など組織を傷つけやすくなります。 そうして糖尿性白内障などを引き起こしてしまうのも糖尿病の怖さです。 糖尿病は、インスリン活性、合成の低下と免疫系の疲労が原因、これを正常に保つことで予防します。 ※ ⇒当店での参考商品(ユショウサン) |
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高血圧症 | |
◎血圧とは 血液は心臓のポンプ作用によって心臓から全身の血管に押し出されてきます。 この血液が血管の壁に与える圧力のことを血圧といいます。心臓から送り出される血液の量が多かったり、血管の壁が硬かったりしますと高血圧になります。 ◎最大血圧と最小血圧 心臓は1分間に60〜80回の収縮・弛緩を繰り返し、血液を全身におくりだしています。 血圧は心臓が収縮するとき、最も高くなり、このときの血圧が最大血圧とよばれています。また心臓が弛緩するとき、血圧が最小になり、このときの血圧が最小血圧とよばれています。 ◎高血圧の種類 3回以上の血圧の平均値が最大血圧で160以下、最小血圧で95以上の場合が高血圧症ですが、そのなかで腎臓やホルモンに異常があったり、腎血管が細くなっていたりして原因がはっきりしているものを二次性(症候性)高血圧と呼び、原因がはっきりしないものを本態性高血圧症と呼びます。 1、二次性(症候性)高血圧 @腎性高血圧糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、のう胞腎などで腎臓全体の働きが低下すると、塩分(ナトリウム)や水分を排泄する腎臓の機能が低下し血圧が上昇します。 また、腎臓に血液を供給する血管(腎動脈)が動脈硬化や、生まれつきの血管の異常、また動脈の炎症などで狭くなると腎臓から血圧を上げる物質(レニン)が放出され高血圧となります。 この結果、腎臓にはしっかりと血流が流れるようになりますが、その他の臓器では血圧高すぎる状態となります。 A内分泌性高血圧 ホルモンは血液中を流れて全身の臓器に達し、各臓器の様々な機能を調節する重要な物質の総称です。 このホルモンのなかには、心臓、血管、腎臓などに作用し血圧を維持し重要な臓器にしっかりと血液を流し、立ちくらみなどを防ぐ働きを持つものも何種類かあります。しかし、これらの血圧上昇ホルモンが過剰に分泌されてしまうと高血圧になってしまいます。 2、本態性高血圧 遺伝的素因と日常生活上の不摂生(塩分の過剰摂取、ストレス、運動不足、アルコール肥満など)が原因の場合、本態性高血圧と言われています。 一般に血圧は年齢とともに上昇し、日常生活の不摂生も増えてくるので、このタイプの高血圧は一般に中年以降に発症することが多く、糖尿病やその一歩手前である耐糖能障害あるいは高脂血症脂質代謝異常、肥満などの成人病を伴いやすいことが知られています。 ◎高血圧を予防するためには ・食べすぎをさけ、肥満をふせぐ。 ・一日の塩分摂取量を減らす(普段の半分に) ・適度な運動をする。 ・アルコールは控えめにする。 ・ストレスをできるだけ解消する。 ・定期的に血圧を測る。 ・禁煙する。 ◎主な降圧薬(高血圧治療薬) 1、利尿薬: 血液中の過剰な塩分(ナトリウム)や水分を尿として排泄させ、血圧を低下させる薬。 @サイアザイド系利尿薬 穏やかな作用を持つ。(体内のカルシウムを増やす働きもある) ⇒副作用: 糖尿病の患者に大量に使用すると糖尿病が悪化することがある。尿酸値が上昇することがある。 Aループ利尿薬 強力な利尿作用を持つ。 (心臓や腎臓の機能が低下し、むくみなどがある場合に使用することが多い) ⇒副作用: 血液中の塩分のバランスが崩れることがある。 Bカリウム保持性利尿薬(抗アルドステロン薬) 穏やかな作用を持つ。 (他の利尿薬と併合して使用することが多い。心不全の改善作用がある。) 2、交感神経抑制薬 @β遮断薬 心臓に作用する交感神経の働き(β作用)をやわらげて、過剰な心臓の働きを抑え 、血圧を下げる薬。狭心症や心筋梗塞の患者にとっては心臓を休ませることになるので好都合です。 ⇒副作用: 脈が遅くなる。心臓の機能が低下することがある。 喘息が悪化することがある。 Aα遮断薬 血管(動脈)に作用する交感神経の働き(α作用)をやわらげて、血管(動脈)を拡張させ血圧を下げる薬(血流が良くなる)。 糖尿病や高脂血症に対しても良い効果を持つ。 (前立腺肥大症に対する改善効果も持つ。) ⇒副作用: 立ちくらみや動悸が起こることがある。 3、血管拡張薬: 直接、血管(動脈)に作用し、これを拡張させ血圧を下げる薬(血流がよくなる)。 @ヒドララジン系 妊婦にも安心して使用できる。 ⇒副作用: 動悸、頭痛(脳の血管拡張による)が起ることがある。 Aカルシウム拮抗薬 動脈壁の細胞へのカルシウムの流入を妨げ血管を拡張させる薬。 心臓の動脈である冠状動脈も拡張させるので、狭心症の薬としても使われる。 ⇒副作用: 動悸、立ちくらみ、顔のホテリ(顔の血管拡張)、 頭痛(脳の血管拡張)が起こることがある。 4、アンジオテンシン変換酵素阻害薬 血管を収縮させ血圧を上昇させるホルモンであるアンジオテンシンの量を減少させて血圧を下げる薬(血流がよくなる)。 心臓や腎臓への負荷を取る働きがある。 ⇒副作用: 咳がでることがある。ごくまれに顔や口が腫れることがある。 5、アンジオテンシン受容体拮抗薬 血管を収縮させ血圧を上昇させるホルモンであるアンジオテンシンの作用を妨げることで血圧を下げる薬。血流がよくなる。心臓や腎臓への負荷を取る働きがある。 ⇒副作用: ほとんどないとされています。 |
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腎臓病 |
◎腎臓の働き 腎臓にはまず第一に血液から尿をつくる働きがあります。 私たちは、毎日栄養や水分をとり、それをエネルギーや体の成分に変えてはじめて生きていくことが可能なわけですが、この際必ず、栄養分の燃えカスや体に不必要な成分(老廃物)ができます。これらを過不足なくすべて溶かしこんで体の外に出すのが、腎臓の大切な役目です。 腎臓は、毎分約1リットルの血液から約200万個の糸球体という濾過装置(フィルター)を通して100mlの尿のもとをつくり、腎臓の中の尿細管という複雑な配管装置を通して百分の一まで濃縮し、最終的な尿にします。 そうして腎臓は、体の水分量と血圧を常に一定に保ち、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの塩分の量を一定に調節し、血液を弱アルカリ性に調整して、体内の恒常性(バランス)を保っているのです。 それ以外にも腎臓は、血圧を上げるホルモン、血液の中の赤血球をつくるホルモンや、骨を強くする活性型ビタミンDをつくります。 ◎腎臓病とは? 腎臓が十分に働かなくなると、体に不必要な老廃物がたまりがちになったり、逆に必要なものが尿に出ていったりして、体内環境のバランスが悪くなります。 尿は腎臓をはじめ、体の変調を知るバロメーターです。健康な尿がつくれない状態がすなわち腎臓病で、尿にふだんは含まれないタンパク質や血液の混じった状態が、タンパク尿であり、血尿です。 ただし、一時的にタンパク質や血液が混じってもすぐに腎臓病というわけではなく、運動後や風邪のときなど良性(機能性)のタンパク尿、血尿といって、特に病気がなくても出ることがありますし、また膀胱炎や尿路結石でも血尿が出ます。しかし、これら以外の多くの場合は、腎臓病、特に腎炎の可能性があります。 腎炎のほとんどは糸球体(フィルター)が炎症を起こしてあれたり目づまりした状態になったりします。タンパク尿の量が多いと特にネフローゼ症候群ともいいます。また、腎炎以外に、高血圧、糖尿病、膠原病などのほかの病気が原因で起こる腎臓病もあります。 ただ、ひとくちに腎臓病といっても千差万別で、一般にタンパク尿や血尿の程度に応じて、進む心配のほとんどない軽いものからすぐに入院治療が必要なものまであり、それを知るためには現状症状がなくても定期的にきちんと診察や検査を受ける必要があります。 ◎腎臓病の症状と検査 腎臓病の自覚症状はまず尿に現れます。 ・尿の量が増えた(または減った) ・尿の回数が増えた(または減った) ・尿に濁りがある などです。 腎臓病では尿量が減る場合と増える場合があります。尿が近いときの原因で一番多いのは膀胱炎ですが、過度の精神の緊張でおこることもあります。 尿は濃くても透明なら心配はいりませんが、濁ったときは要注意です。濃尿といって尿路のどこかに炎症が起きて尿に白血球がたくさん出ている場合や、また血尿やタンパク尿の場合もあります。 むくみも腎臓病の大切な症状のひとつで、体の中の水分バランスの乱れから起こります。さらに、腎臓が悪いと高血圧になりやすく、また高血圧が腎臓病をさらに悪くするという悪循環を招きます。 そのほか、貧血や、疲れやすくなったりします。ただ、腎臓病の多くはある程度進んでいてもほとんど自覚症状がなく、検査でしかわからないため、油断は禁物です。 腎臓病の検査には尿検査、血液検査以外に、超音波(エコー)、シンチなどの画像検査と、腎生検があります。腎生検では2〜3週間ほど入院し、針で腎臓の組織をごく一部取り出し顕微鏡の検査に回して、病気の種類や程度を明らかにし、治療を決めたりします。 また、ごくまれに遺伝子の異常によっておこる腎臓病の可能性がある場合は、採血して遺伝子診断を行います。 ◎腎不全と透析 腎臓病になったときには、病気を進行させないような生活習慣を身につけることが大切です。定期的な服薬と診察はもちろんのこと、 一般的には無理をせず、睡眠不足や過労はさけ、食事に気をつけることが大切です。 腎臓の一番大切な役目は体の成分を一定に保つことですから、腎臓の働きが落ちて腎不全になると、そのバランスがくずれます。 そこで食事で入る量を上手に調節しないと、さらに腎臓に負担をかけて腎臓病を悪化させかねません。食塩、カリウム、リンなどの食塩や、タンパク質の制限、水分の調節がときに必要になるのはそのためで、薬の治療と組み合わせ、専門家の指導による食事療法はきわめて大切な治療法です。 腎不全でもこのような治療で安定した状態が続けば、必ずしも透析しなけらばならないことはありません。それでも腎不全が進行して尿毒症といわれる状態になると、透析という治療が必要になります。これには血液透析と腹膜透析とがありますが前者が一般的で、血液を腎臓の代わりをする器械に通してきれいにして再び体に戻すもので、週2〜3回の治療をしながら社会復帰している方も大勢おられます。 ◎痛風と腎臓病 尿酸は体の構成成分のひとつである核酸からできますが、食事から入る量が多かったり腎臓からの出が悪いと血中にたまり、高尿酸血症と呼ばれます。尿酸が足指などの関節内で結晶化して急性炎症を起すのが、痛風の発作です。痛風も放っておくと尿酸が腎臓の尿細管につまって働きを悪くし、痛風腎と呼ばれる状態になります。食事療法と、尿酸ができるのを抑えたり尿に多く出すような薬で治療します。 |
肝硬変 |
慢性肝炎の状態が長く続くと肝硬変へ移行します。 非活動性慢性肝炎から活動性慢性肝炎へ、活動性慢性肝炎から肝硬変へと進行していきます。 肝硬変にも初期の代償性肝硬変と進行した非代償性肝硬変があります。 肝硬変は肝臓病の最終段階で、繊維化が進み肝細胞の壊死と再生が繰り返され、「肝再生結節」と呼ばれる塊のためにごつごつとした状態になります。 @原因 肝硬変になる原因は肝炎ウイルス、アルコール、胆汁うっ滞、ヘモクロマトーシス(肝臓に鉄が溜まる病気)、ウィルソン病(肝臓に銅が溜まる病気)などがあります。 C型肝炎ウイルスによる場合は感染から30年から40年で肝硬変へ進むと考えられています。 A患者数 日本には肝硬変患者が約30万人いると言われています。 ウイルス性が85%で約25.5万人、残りの4.5万人がアルコール、胆汁うっ滞などです。 ウイルス性肝炎のうち肝硬変まで進行するのはB型とC型で、B型慢性肝炎の20%が、C型慢性肝炎の40%が肝硬変になると言われています。 全肝硬変患者の65%がC型だと言われていますので、これが19.5万人、B型が20%で6万人ということになります。 B肝硬変の症状と合併症 (1)黄疸 黄疸があるかどうかは血液検査でビリルビンの濃度を測ることで分かります。 ビリルビンは赤血球が破壊されてできるヘモグロビンから作られており、肝臓の機 能が低下するとこれを処理しきれなくなるために、血中濃度が上昇します。 正常だとT−Bil(トータルビリルビン)0.2〜1.2r/dlですが、黄疸があると1.2r以上に上がってきます。 3.0r以上になると目で見て分かるようになると言われています。 (2)腹水 腹水は腹腔内に溜まった水分やリンパ液です。 肝硬変になると門脈から肝臓への血液の流入が悪くなり門脈の圧力が高く(門脈圧亢進症)なります。 血液だけでなくリンパ液の流れも悪くなり、腹腔内へリンパ液が漏れだして溜まります。 また、肝硬変のためにタンパク代謝ができなくなり、血液やリンパ液の中のアルブミン(血液の浸透圧を維持する成分)が減少し、血管やリンパ管から水分が漏れだし易くなります。 血中アルブミン濃度が腹水の溜まり易い状態の指標になります。 正常3.8〜5.1g/dlですが、3.0g以下になるとお腹が張ったり、浮腫が現れるようになると言われます。 (3)肝性脳症 肝硬変で肝機能が低下し、有害物質や老廃物を処理しきれなくなると、アンモニアなどの有害物質が血液の中に溜まって意識障害(肝性脳症)を起こします。 門脈圧亢進症があると肝臓を通らない有害物質を含んだままの血液が全身に送られることによってもアンモニア濃度は上昇します。 アンモニアの血中濃度は正常で14.0〜79μg/dlですが、100μg位で異常 行動を起こす人から300位になって異常行動を起こす人まで個人差が大きいようです。 慢性的にアンモニア濃度の高い人はかなり高くなるまで異常行動を取らない傾向があるようです。 (4)食道静脈瘤 肝硬変になると門脈圧亢進症のため、血液がパイパスを作って肝臓を通らずに心臓へ帰るようになります。 バイパスは食道の静脈を通って大静脈へ至る道、へその静脈から腹壁の静脈を通って大静脈へ至る道、腸間膜静脈から直腸周囲痔静脈を通って大静脈へ至る道の3本 が主なルートだと言われています。 胃から食道静脈を通るルートは食道の薄い粘膜の下を走っているため、細い血管を押し広げてできた瘤が破裂し易くなります。 食道静脈にできた瘤が破裂すると、門脈圧が高いため、大出血を起こすことが多く、3割ぐらいが死亡すると言われています。 (5)原発性肝がん 肝硬変になると肝がんになりやすくなります。 統計的に肝がん患者の80%は肝硬変を併発していると言われています。 ウイルス性の肝硬変患者は肝がんになりやすく、特にC型は肝がん全体の80%を占めていると言われています。 原発性肝がんには肝細胞がん(90%)と胆管細胞がん(10%)があります。 (6)その他の症状 1.くも状血管腫・・・首から肩、腕、胸などに蜘蛛状の細い血管が浮き出したもの 2.手掌紅班・・・・・掌の周辺部が紅色になる 3.腹部の静脈怒張・・腹から胸にかけて血管が浮き出る 4.女性化乳房・・・・女性ホルモンの処理ができなめ、男性でも女性のような乳房になる C肝硬変の合併症の治療 慢性肝炎の段階ならIFNのような薬で治る場合もありますが、肝硬変になるとIFNでも治すことはできません。 肝硬変そのものを治すことはできなくても、肝細胞がん・食道静脈瘤や他の合併症に 対する治療方法の進歩で、肝硬変患者も以前よりずっと長く生きられるようになりました。 腹水があれば利尿剤やアルブミン製剤を使用し、塩分を制限することである程度コントロールできます。 難治性の腹水に対して昔は、針を刺して抜き取っていただけでしたが、腹水の中にはアルブミンなどのタンパク質が含まれており、腹水といっしよに抜き取ってしまえば益々腹水が溜まり易くなります。 そこで現在では抜き取った腹水を、透析器にかけた後また静脈へ戻す方法(腹水濃縮再注入法)が一般的です。 肝性脳症の場合は便秘をしないような食事療法と、アンモニアの吸収を抑える薬(ラクツロース)、血液中のアミノ酸のバランスを良くするアミノレバン注射などがあります。 |
痛風 |
◎痛風の原因は? 痛風発作の原因は尿酸という物質です。尿酸はどんな人のからだの中にも一定量あって、血液などの体液に溶けて循環し、尿の中に濾し取られて捨てられます。ところが、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇して飽和濃度を越えると、からだの中に蓄積してきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと塩(えん)を作り、結晶になります。尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着してきます。痛風発作は、尿酸塩に対してからだの防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に起こります。 尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能に注意が必要です。さらに、痛風の患者さんでは心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。痛風発作の激痛は「尿酸が体に溜まっているよ、治療が必要だよ」という神様の警告と考えるべきでしょう。 ◎尿酸って何? さて、痛風の原因である尿酸とは何でしょう。「尿の酸だから尿の酸性度とかpHといった類のものか」と考えそうですが、尿酸は炭素、窒素、酸素、水素の分子から出来た化学物質で、プリン体と呼ばれる物質のひとつです。プリン体には多くの種類があって、それぞれが多彩な作用を持っていますが、それらが最終的に分解され、尿の中に捨てられる形になったものが尿酸です。 尿酸の素になる物質は、DNAやRNAとよばれる核酸やATP(アデノシン三リン酸) という生体エネルギー物質ですこのような材料の老廃物として、普通の人の体内では一日約0.6gの尿酸が作られます。この尿酸の産出が多くなったり、排泄が低下すると尿酸は体内に蓄積し、痛風を起こします。要するに、尿酸はプリン体の老廃物、つまり、廃棄物であって、プリン体の「ごみ処理」問題がうまくいかないと痛風になるわけです。 ◎尿酸値の正常値は? 健康診断、人間ドック、住民検診などの検査を受けると、検査結果の報告が来ます。痛風の原因である尿酸の血液中の濃度は、「尿酸値」や「血清尿酸値」と記入されています。男女ともにこの値が7.0 mg/dl以上では異常で、高尿酸血症と呼ばれます。痛風に関した医学研究が発表される学会の日本プリン・ピリミジン代謝学会でも7.0 mg/dl以上を高尿酸血症とすることが確認されました。 よく検査結果の報告用紙には正常値とか標準値などが書かれていて、血清尿酸値の場合、男性で3.8〜7.5 mg/dl、女性で2.4〜5.8 mg/dlと記載されていることが多いのですが、これは参考程度に留めておいて結構です。 尚、血清尿酸値が低い場合もあり、1.5mg/dl以下を低尿酸血症と呼びます。低尿酸血症の人の一部には尿路結石が起こることがあります。 ◎尿酸値を上昇させる要因 尿酸値を上昇させる要因を列挙してみます 1)遺伝的な要因 病気は遺伝的素因に環境からの影響が加わって発病します。痛風の場合にも遺伝的体質が関連します。約20%ぐらいの痛風の患者さんには父親や叔父さん、従兄弟に痛風もちがいます。 2)食生活の問題 食事内容によっては尿酸値は上がりますが、厳密なプリン体制限は実際には困難で、長続きしません。最近では「これは食べてはいけない」という食品の制限はあまり指導しなくなりました。 それよりも食べる総量を制限することが大切です。痛風の患者さんの60%には、肥満があり、肥満度が大きいほど尿酸値は高くなります。また肥満は痛風の人に多い合併症の大敵です。 食事を減らし、よく歩き、標準体重を守ることが大切です。よく噛んで味わって食べるように注意しましょう。 3)飲酒の問題 アルコール飲料を飲むと尿酸値は一時的に上がります。アルコールが体内で分解される時に尿酸が作られること、その際にできる乳酸が体内に尿酸を蓄積すること、一部のアルコール飲料には尿酸の元になるプリン体が多く含まれていることなどがその主な原因です。アルコールが代謝されるときに尿酸値が上がるので、どんな種類のお酒でも尿酸値や痛風にはよくないわけですが、尿酸の素になるプリン体を含む量は種類によってかなり違います。プリン体は、ビールに最も多く含まれ、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒はあまり含まれていません。 4)ストレスや、行動パターン ストレスは尿酸値を上昇させるようです。運動もやり方次第では尿酸値を上げ、特に激しい運動は尿酸値を一時的に上昇させます。発汗や下痢で脱水状態になったときも血清尿酸値は上昇します。 5)他の病気の影響 腎機能が低下したり、血液の病気があったりすると尿酸値が上がることがあります。悪性腫瘍が原因で高尿酸血症になることもありますので注意が必要です。 6)薬剤の影響 薬剤の中には、尿酸値を上昇させるものがあります。 サイアザイド系降圧利尿薬(フルイトランなど) ループ利尿薬(ラシックスなど) 喘息の治療薬のテオフィリン(テオドールなど) 結核治療薬のピラジナマイド(ピラジナミドなど) 少量のアスピリン(小児用バファリンなど) その他、薬剤ではありませんが健康食品といわれるものの中に、核酸成分を大量に含むものを毎日食べ続けて尿酸値が高くなることがあります。 ◎日常注意するポイントは? 尿酸値を下げるためには次のような点で日常生活の注意をしてください。 1)肥満を解消すること。 総カロリーを制限する、偏食を避け、多品目を少量づつ、ゆっくり噛んで、食べることが大切です。 2)アルコール飲料を控えること。 一気のみしない、たくさん飲まない、休肝日を設ける、ビールばかりにしないことを気を付けましょう。 3)積極的に水分を摂取すること。 季節を問わず尿が一日2リットル以上になるようにすることが理想ですが、少なくとも毎日2リットル以上の水分をとること。 4)軽い運動を行うこと。 ウォ−キングなどの有酸素運動は尿酸値を上げず、痛風の人に多い高血圧などの合併症にも有効です。 5)精神的ストレスをうまく緩和すること。 のんびりゆっくり型のストレス対策が必要です。 |
メニエール病 |
●めまいの原因 めまいが起こる原因は様々で、その原因によって「悪性のめまい」と「良性のめまいに大別されます。 ・悪性のめまい:脳腫瘍や脳血管障害などの命に直接かかわるような病気が原因で起こるめまいを言います。 めまい以外に「意識が薄れる、頭痛、物が二重に見える」などの症状があるときは、すぐに医療機関を受診しましょう。 ・良性のめまい:メニエール病、頭位めまい症、中耳炎、起立性調節障害、心身症などが原因で起こるめまいで、すぐに命に直接かかわるものではありませんが、進行すると日常生活に支障を来す場合もあります。 ●メニエール病とは メニエール病とは、耳のいちばん奥にある「内耳」の病気で、原因ははっきりわかっていませんが、過労やストレスがきっかけとなって起こると考えられています。またメニエール病は「メニエール気質」と言って、性格が几帳面な人や融通のきかない人、小さなことに思い悩む人に多いと言われています。 ●メニエール病の症状 ・回転性の激しいめまい:自分や周囲がぐるぐる回るような激しいめまいが特徴です。 吐き気や冷や汗、動悸を伴うことも多く、めまいの持続時間は30分から数時間、めまいの起こる頻度も連日起こるという人から、月に1回または年に1回という人まで様々です。 ・耳鳴りや難聴を伴う:めまいが起こる前に、たいてい耳鳴りや難聴、耳が詰まった感じなどの症状が現れます。また、たいてい片方の耳に起こりますが、その後、20〜30%の人がもう片方の耳にも起こります。 メニエール病は進行性の病気です。多くはめまい発作を繰り返すたびに症状が悪化し 、進行の早い人では5年から10年で日常生活に支障を来すほどの高度の難聴になってしまうこともありますので、放っておかずに耳鼻科を受診するようにしましょう。 |
尿路結石 |
1.どんな病気? 尿路結石とは、尿中のカルシウム、マグネシウム、尿酸などが腎臓で結石となり、尿管や膀胱などにつまって激しい痛みを起こす病気です。痛みは脂汗をかくほど激しく、尿はにごり、血尿になることが多くみられます。 結石ができた場所によって腎杯結石や腎盂結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などと呼ばれています。 2.どうしてなるの? リン酸カルシウム塩、シュウ酸カルシウム塩、尿酸塩などは尿が濃くなると結晶をつくりやくその結晶が大きくなったものが結石です。また、食べ物に含まれるカルシウムの代謝がうまくいかずカルシウムの排泄が多いとカルシウム結石ができ、尿酸の排泄が多いと尿酸結石ができます。しかし、結石のできる理由ははっきりわかっていません。 3.生活習慣改善アドバイス ● バランスのとれた食事を摂るように心がける。 ● 尿が濃くなると結石ができやすいので、水分を充分に補給する。 結石をつくりにくくし、結石の自然の排泄を促す。 ● からだを動かすことで代謝や排泄をスムーズに行う。 4.早期発見が鍵です! 年に一度の健診で、血液生化学検査や尿検査で尿路結石の有無を確認しましょう。 結石は一度発作を起こすと再発しやすいので、痛みを起こしたら症状が治ま っても必ず検査を受けましょう。結石が残っていないかどうかを調べる検査に は、腹部X線検査や腎盂・尿管造影検査があります。 |
前立腺肥大 |
前立腺肥大とは、男性の尿道をとりまく前立腺が肥大して、尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気です。尿が細くチョロチョロとしか出なかったり、排尿に時間がかかったり頻尿になります。残尿しやすくなるため、細菌が感染して膀胱炎を起こすこともあります。加齢とともに進行する老化現象でもあり、50歳以上の男性に多くみられます。
2.どうしてなるの? 前立腺は男性ホルモンの支配を受けている臓器です。年をとって男性ホルモンの分泌が低下し、ホルモンバランスが崩れてくると前立腺の表面の組織が萎縮し、内部の組織が肥大して起きます。しかしその原因はよくわかっていません。 3.生活習慣改善アドバイス ● 不摂生な生活やストレスが病気を悪化させるので、健康管理に気をつける。 ● 前立腺肥大のある人は、長時間座ったままの姿勢でいると前立腺がうっ血して炎症を起こすので注意する。 ● アルコールは悪化要因になるため控える。 4.早期発見が鍵です! おかしいなと思っても受診するのをためらっていると、腎盂腎炎や水腎症(腎盂に水が溜まる病気)などを合併し、腎臓障害を起こす恐れがあるので、早めに泌尿器科で診てもらいましょう。直腸内触診や尿道・膀胱造影検査、尿検査などで診断されます。前立腺がんと区別するためには組織検査を行います。 |
ガン |
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