医学豆知識



・ 眼精疲労

ちょっと物を見ていると目が疲れて痛くなったり、頭が重くなったり、痛くなったり、吐き気をもよおしてくることを眼精疲労という。
この眼精疲労は種々原因によって起こってきます。

近視または遠視、乱視などで、視力が悪いのに眼鏡をかけない、またはあわない眼鏡をかけている場合や目の病気が全くなくて神経質である場合などが原因となります。

眼科医はそれぞれの原因をよく調べて治療を行いますが、最近は生活環境が複雑となってパソコンやテレビなどを長時間見ていたりして、目を酷使する機会が多いので神経性の眼精疲労が多く、その治療には眼科ばかりではなく精神的な方面からの観察もしなくてはなりません。
このため原因不明の眼精疲労が続いていたら、自分の生活状態や精神面を考えて、休養を取り、悪い面を是正するようにしないと、長い間、眼精疲労で悩むようになります。なお緑内障などが原因になることもあります。
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・ エコノミークラス症候群

この病気は、飛行機のエコノミークラス席のように、狭い場所で長時間同じ姿勢を強いられるとなりやすいことから名づけられた。
正式名称は「肺動脈血栓塞栓症」。

健康な人でも、同じ姿勢を続けていると、下半身の血流が悪くなり、足などの静脈に血栓(血の塊)ができることがある。
この血栓が肺に運ばれ、肺の動脈が詰まると、肺が酸素を取り込めなくなり呼吸困難、胸の痛みなどが起こる。
手術で入院患者千人中、3人弱がこの病気で亡くなっていると推定される。
だが、健康な人も例外ではないので飛行機で長距離旅行する人は注意したい。
機内での肺塞栓症予防には、
◎こまめに水分を補給する。
◎1〜2時間ごとに、少し離れたトイレに行って足を動かす。
◎時々座席で足の上げ下げをする。
◎血行が悪くなるので足は組まない。
◎酒は脱水になりやすいので飲みすぎない。

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肺真菌症
肺は気管を通じて外界とつながっており、空気とともに吸い込まれる細菌やカビに常にさらされている。カビの仲間による病気で最も厄介なのが肺真菌症である。
肺真菌症には、肺結核でできた空洞に菌が住み着いて塊をつくる菌球型、菌が散らばって肺炎のようになる侵襲型、アレルギー反応を起こす喘息型がある。
症状は咳や痰、原因不明の発熱などで真菌症には特有の症状はない。

ガンの告知が今日ほど普及していなかった10数年前には、家族と相談の上、肺がん患者に肺真菌症との病名で手術を行ったこともある。
それほど肺真菌症の症状は肺がんや結核と良く似ている。
診断は胸部X線検査の異常を手がかりにCT検査、気管支鏡検査や血液検査で確定することが多い。

この真菌症は高齢者や糖尿病、ガンの治療後など抵抗力の少ない人に見られ、普段健康な人がかかることはまずない。しかし、咳や痰が2〜3週間以上続くようであれば、呼吸器科でガンや結核とともに真菌症のチェックを受けるべきである。


インフルエンザ

インフルエンザはA型、B型、C型の3種類のウイルスで起きる急性の感染症である。カゼと混同されやすいが、カゼとは違う。
症状は発熱、鼻水、せきなどで同じだが、激しい型の流行時は、熱が39度以上になる。

大流行を起こすのはA型だ。変化しやすいウイルスで、過去にない型に大きく変異すると世界的流行となる。その時には人口の10〜30%がかかる。ただし、A型は症状が激しいが治りも早い。
C型は流行もしない軽いものだが、長引きやすい。
B型は流行しない年とする年があり、症状もAとCの中間だ。
いずれのウイルスも、潜伏間は1〜3日ほどだ。

俗に「他人にうつすと治る」といわれるのは、症状がおさまったころ、感染した人が発症するからだ。

インフルエンザウイルスは、冷たさと乾燥が大好きで高温が苦手。閉鎖した寒い空間で、くしゃみやせきにより空気感染する。だから、流行時は寒い所に長居はよくない。
電車や教室でマスクをすることは、くしゃみでウイルスをばらまかない為にも、空中のウイルスが鼻や口から入らない為にも役立つ。くず湯などで、のどや体を温めるのも良い。


 睡眠時無呼吸症候群・SAS
SASは睡眠障害の一種で、寝ているとき繰り返し呼吸が止まって熟睡できず、日中も慢性的な睡眠不足に悩まされ昼間でも急に寝てしまうことがある。
SASの人は就寝中、のどの奥の気道がふさがりやすく、いびきがひどい。長い時間、呼吸が止まって家族を驚かせる。国際的診断基準では「10秒以上続く呼吸停止が1時間に5回以上」をSASとしている。

●睡眠障害チェック表
居眠りを絶対しない=0、時々する=1、よくする=3、大体いつもする=4

@座って読書しているとき
Aテレビをみているとき
B会議、劇場などでじっと座っている時
C運転せずに1時間以上続けて車に乗っている時
D午後、横になって休息している時
E座って誰かと話をしている時
F昼食後(飲酒せず)静かに座っている時
G自動車を運転中、渋滞などで数分止まった時

合計6点以下=正常、7〜10=軽度、11〜15=中等度、16点以上=重症です。




 ギランバレー症候群
両足に弛緩性運動麻痺(だらりとして力が入らず、動かせない)がおこり、この麻痺が次第に上方に広がり、胴体や両腕にも麻痺し、さらに顔面神経麻痺もおこし、ときには呼吸麻痺をおこして死亡する(この率は20%以下)こともある病気です。
病気の初めに発熱、食欲不振、四肢の痛み、頭痛、嘔吐などのあることもありますが、約三分の一の場合は何も症状がなしに突然足の麻痺で始まります。ポリオに似た病気ですが、脳脊髄液を調べると蛋白質の含量が増加しているのに細胞数が正常であるのでわかります。またポリオにはウィルスが病原体の伝染病ですが、本病は原因が未定で神経アレルギー説、毒素説、ウィルス説などがあります。確かなことは、ジフテリア、はしか、百日咳、水痘などにかかった後に引き続いておこったり、ワクチン注射後におこることがあることです。


 中心性網膜炎
(過労、睡眠不足の後に発病する場合が多い)

網膜とはカメラでいえばフィルムに当たる部分です。この網膜の中心部は視力にとってもっとも大切な所です。ここが腫れてくる病気で原因ははっきりしませんが結核性アレルギーによるもの、梅毒性のものその他があるといわれ、過労、睡眠不足などの後に発病する場合が多いものです。
主に中年の男性にみられます。これにかかると、見ようとする中心部がぼやけてはっきりしなくなります。例えば本を読むと、読もうとする部分が、薄黒くぼやけたり、また字が小さく見えたり、形がゆがんで見えたりします。
片方の目だけなることが多く、両目で見ているときは気づかず、何かのひょうしに片目だけで見たときに気がつくことが多いものです。
こういう場合はなるべく過労を避け、直射日光にはサングラスを使用し、生活状態を規則正しくし、安静を保たなければなりません。この病気を長く放置すると、元のように網膜は回復しないで、症状はいつまでも残ります。


 毒素型食中毒
この中毒のおもな原因菌はブドウ球菌・ボツリヌス菌などです。これらの菌が食物の中で繁殖し、食べる前にすでに菌が産生した毒素が食品中にある場合です。したがって食べてから発病するまでの時間は短く、ブドウ球菌毒素によるものは、食後3時間前後です。盛んに嘔吐を繰り返すとともに下痢します。腹痛はありますが発熱はまれで、体質異常者や抵抗力の弱い子供や老人でないかぎり、死ぬことはほとんどありません。

ボツリヌス菌によるものは、猛毒性を発揮するおそろしいもので、わが国にはまれですが、北海道や東北地方で食される「いずし」の食中毒でおこることがあります。欧米各地でソーセージ・かんづめ・塩漬け食品などの中毒例が報告されています。症状も胃腸型、神経型、発疹型などがみられます。
なお、腐敗菌が繁殖した食物は、味やにおいがひどくて食べられないので、食中毒はおこりません。
予防としては原因菌によって要点はかなり違いますが、ただ一つ共通な点として注意したいのは、菌や毒素が混入した食品は色も味もにおいも変化がなく、わかりにくいので十分に用心して下さい。


 熱中症
行楽やスポーツなど、炎天下での活動が増えるこの時期、注意しなければならないのが熱中症だ。場合によっては死に至ることもあるだけに、予防と対策はしっかりと頭に入れておきたい。

気温や湿度が上がり、体温調節などに障害が生じるのが、熱中症。筋肉の痛みを伴うけいれん、目まい、頭痛、吐き気、そして最も重い症状の熱射病では、意識障害が起こり死亡率も高い。

日本体育協会スポーツ科学研究室によると、小、中、高校の学校現場では、熱中症の発生は7月下旬から8月上旬に集中していて、梅雨の合間に突然気温が上昇した日や、梅雨明けの蒸し暑い日はどが多いという。
また、午前10時から正午にかけて最も発生率が高く、午後4時以降にも発生していることから、暑いときには朝や夕方でも安心できない。

そこで予防法だが、暑いときは軽装にして、素材は吸湿性や通気性のよいものを選ぶ。直射日光が当たる場合には帽子も着用。その上で「屋外で長時間活動することは避け、日陰で適当な休息を取り、こまめに水分を補給することが大事」といわれています。
また、体力の弱い人や肥満の人、暑さに慣れていない人などは特に注意が必要で、疲労や風邪、発熱、下痢はど体調の悪いときには無理な運動は禁物だ。

万一の時にあわてなくてすむよう、対処法もぜひ知っておきたい。熱中症にかかった人がいたら、涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分や塩分を補給する。足を高くして、手足から心臓に向けてマッサージするのも有効だ。熱射病の場合は体を冷やしながら一刻も早く病院へ運ぶ。応急処置としては、いかに早く体温を下げるかが最重要。皮膚を直接冷やすより、全身に水をかけたり、ぬれタオルを当ててあおぐ方が効果的。頚部やわきの下など太い血管を直接冷やすのも効き目がある。
また、近くに十分な水がない場合、水筒の水や清涼飲料水などを口に含み、全身に霧状に吹きかけてあげるといい。軽く見ないで大げさなくらいに対処することがかんじんです。




 胃潰瘍
みぞおちのあたりがキリキリ痛み、悪化すると吐血することもある胃潰瘍。
患者数は国内で約百万人と多い。胃潰瘍の治療には、多くの種類の薬が使われている。「たくさんの薬をもらったが、どんな違いがあるの?」「医師によって治療法が違うのは何故」といった疑問を感じる患者もいる。

指針によると、胃潰瘍の原因の九割は、胃に住み着いているピロリ菌。
菌が出す毒素などが原因で、胃粘膜が傷つけられるからで、残りのほとんどは、痛みを抑える非ステロイド消炎鎮痛剤の副作用が原因である。
従来胃潰瘍は「ストレス病」と呼ばれてきた。しかし研究が進むにつれ、ピロリ菌感染などで胃の弱った人にストレスがかかると発病することが分かってきた。つまり、ストレスは「主犯」ではなく脇役である。

ピロリ菌とは、らせん状の体にべん毛を持つ細菌で、正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」 胃の中は強い酸性で、普通の細菌なら死んでしまうが、尿素を分解するウレアーゼという酵素を出してアンモニアを作り、胃酸を中和して生息する。


 ヘルペス

ヘルペスというのは「単純疱疹(たんじゅんほうしん)」と「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」の2つを指す。いずれもヘルペスウイルスが引き起こし、症状もある程度似ているが、別の疾患である。一般にはヘルペスは帯状疱疹を指す場合が多いため、しばしば混乱を招くようである。

●単純疱疹(単純ヘルペス)

【症状】
古来「熱のはな」と呼ばれてきた皮膚病で、主に顔面、特に口の周囲に出る。最初は皮膚に赤く変化して、ムズ痒く(またはヒリヒリ)なり、数時間後にはその部分に小水疱が出現する。水疱は数個がかたまりとなり、次第に大きさを増す。
風邪などの病気や、海水浴やスキーなどの紫外線のストレスが、誘因となりやすい。
再発性であることが特徴で、人によっては毎週のように出る事もあるが、数年間出ないこともある。

このほか、陰部や(性器疱疹)角膜(ヘルペス性角膜炎)に出るタイプもある。性器疱疹は性行為で伝染するため、広義の性病と認識されている。

【治療】
そのまま放置しても、水疱がかさぶたに変化して一応は2週間ほどで自然治癒する。
しかし現在では特効的な抗ヘルペスウイルス剤(飲み薬・塗り薬)があり、これを用いて治療すると、治癒が早まるだけでなく、不快な自覚症状が大幅に軽減するので、出来るだけ早期に治療を始めることが望ましい。

●帯状疱疹(帯状ヘルペス)

【症状】
俗に「ヘルペス」として知られている。
単純ヘルペスとちがい、広い範囲に帯状に発赤と小水疱がでる。必ず体の右または左側だけブロック状に発生し、全身に拡がることは殆どない。
最初の2、3日はピリピリした痛みが先行し、その後水疱が出てくるパターンが多い。症状は個人差が大きく、水疱もパラパラ程度の人もあれば、非常に多くでる人もある。一般的には高齢ほど悪化しやすく、治癒が遅れる。
一般に大きな病気を経験したりすると出やすいといわれるが、ちょっとした疲れでも出る場合が多いようである。
この病気で最も困る症状は、痛みである。これも個人差が極めて大きく、ほとんど痛みのないこともあれば、下着の摩擦だけでもピリピリとした目を剥くような激しい痛みに悩まされることがあり、皮膚症状が治っても、なお数カ月以上にわたって痛みが続く場合もある(ヘルペス後神経痛)。
帯状疱疹は全身どこにでも発生するが、目の回りや耳の回りに出ると、角膜を侵したり聴覚・顔面神経に障害を残す場合があるので、眼科や耳鼻咽喉科の診察が必要となることもある。

【治療】
重症の場合は入院治療が必要であるが、多くの場合は外来で抗ヘルペスウイルス剤の内服・点滴などで治療する。適切な治療が受けられれば、10日もすればほとんど治癒するが、痛みが残る場合は引き続いて治療が必要となる。
一度罹れば、二度と罹ることが無いのが特徴である。但し、大きな病気で免疫が弱っている場合などは、再発することもある。
【解説】
単純疱疹と帯状疱疹は名称は似ているが、それぞれ別の疾患である。原因となるウィルスも同じくヘルペスウイルスであるが、細かい種類の分類があって、異なるものである。しかし互いに親戚筋にあたり、ウイルスの性質も似ている。
いずれの場合も、初感染は通常幼少時に経験しており、その再発という形である。単純ヘルペスの初感染では小水疱がでて、場合によっては高い発熱を伴い、まれに生命の危険を伴うこともあるが、ほとんど症状がでない場合もある。帯状疱疹の初感染は水痘(通称みずぼうそう)である。帯状疱疹の原因は、子供の頃に罹った、みずぼうそうということになる。

単純疱疹も帯状疱疹も、ウイルスは普段は神経に潜んでいる。神経は脳から末端の神経まで信号が伝わるようになっているが、物理的に1本の線ではなくて、中継基地のようなところがある。それを神経節といって(脊髄などにある)、そこには神経細胞の本体がある。ヘルペスウイルスはどういうわけか神経が好きなようで、初感染のあとも、終生神経の中で人間と共生する。神経節から皮膚にある神経の末端までは一本の線(一個の細胞)なので、再発時には細胞を伝ってウイルスが皮膚に到達して水疱などを作る。この時ウイルスが暴れて神経にダメージを与えるので、痛みが発生するらしい。

発症する前には痕跡程度の量しか無かったウイルスが、病気などの肉体的ストレスなどが誘因となって、増殖を始める。ある程度増えてくると、神経節のウイルスは体表面(神経末梢)へと移動して皮膚病変を形成するようになる。

ヘルペスウイルスが神経を好むとはいっても、単純疱疹と帯状疱疹では微妙にウイルスの振る舞いが異なる。
単純疱疹のウイルスは細胞の中にDNAの状態で潜んでいるといわれており、発症するときは、皮膚まで神経細胞の内部をレールに乗ったように容易に移動する。細胞の内部であるから移動が速く、また免疫のチェックを免れて何度でも再発を繰り返す。再発を止める方法は現在のところ存在しない。
一方帯状疱疹の場合は、主として神経細胞の外部が拠点となっており、神経節でウイルスが大量に増殖した後に神経を水先案内としながら、怒涛のように皮膚に押し寄せてくる。このため神経のダメージが強く、皮膚症状も大規模になる。しかしこうなると免疫システムが黙っておらず、鎮圧後は厳重な免疫監視体制が発動して通常は再発することはない。

いずれのヘルペスも、皮膚に症状が出ていないときには人に感染しない。しかし発生した水疱に免疫のない人(特に小児)が触れると、感染する恐れがある。単純疱疹の場合は大人でもアトピー性皮膚炎などの場合しばしば発症し、大きく拡がって独特の症状が出る(カポジー水疱様発疹症)。その他衰弱して免疫が弱った人や、病気の治療で免疫抑制剤などを使用している人には感染し易いので、注意を要する。


/*単純疱疹の対策*/

帯状疱疹の場合は通常一生に一回であるから対策など無意味だが、単純疱疹は何度でも再発を繰り返し、特に性器疱疹の場合は深刻な状況も考えられるため、何らかの対策を取っておく方が良いだろう。

何といっても早期治療である。
ウイルスが神経節から皮膚に到達してしばらくすると、痛痒くなって皮膚が少し赤くなる。放っておくと数時間以内に水疱が出始めるので、この時期が治療を始める好機といえる。理想的にはそれが真夜中であっても、気が付いたら直ぐに抗ウイルス剤を服用することである。それでもある程度の進行は止められないかもしれないが、確実に症状は軽くなる。抗ウイルス剤(飲み薬)を医師に処方してもらい、治療に使った残りを1〜2日分くらいを残しておいて常に携帯する。異変に気付いたら手元の薬を服用し、また処方してもらうということを繰り返すと良い。塗り薬でも良いが、やや効果が劣る。
また風邪に伴って口唇付近に発症した場合は、鼻をかむ際に出来るだけ擦らぬようにすること。擦ると確実に悪化するためである。


 サルコイドーシス

肺、皮膚、リンパ節、まれに肝臓や脾臓などに類上皮細胞という異常な細胞からなる肉芽腫と呼ばれるかたまりが発生する病気です。目にぶどう膜炎が起こることもあります。
免疫異常が原因と考えられていますが、まだはっきりしたことはわかっていません。わが国では、肺に病変が起こることが多いのですが、咳、たん、息苦しさなどの肺の病気を思わせる症状のある人は少なく、健康診断などの胸部X線検査の際に偶然、肺の病変が発見される患者がほとんどです。
ときに、ぶどう膜炎の症状(ものがかすんで見える、視力が低下するなど)の治療のために眼科を受診し、肺のサルコイドーシスが発見されることもあります。
病変が肺だけに限られていて無症状の場合は一、二年のうちに自然に治ることがほとんどですから、指示された診察を定期的に受けるだけで十分です。肺の症状があったり、目、肝臓、リンパ節に病変が認められる場合は、症状によって副腎皮質ホルモン剤が使用されますが、医師の指示どおりに服用することが大切です。


 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは、手のひら、足の裏に多数の膿疱ができる難治性の慢性炎症性疾患です。

膿疱は数日で乾燥し、黄褐色となりぽろぽろと皮がめくれてきます。爪にも膿疱が出来ることもあり、爪が分厚く変形したり、褐色に変色することもあります。
このため
爪水虫と間違われることが多いようです。
(塗布剤は、ビタミンD3軟膏が有効とされています。)

膿疱はウイルスや細菌によって起こるものではなく無菌性であるため、掌蹠膿疱症は周りの人にうつることはありません。
また、家族で体質が似て発症することはありますが、遺伝することはないといわれています。

掌蹠膿疱症の患者の中には、掌蹠膿疱症性骨関節炎といって、鎖骨・肋骨など骨化を合併して、胸・肩・首・腰等の痛みを伴う方もいます。

病因として、今まで扁桃腺や歯科金属アレルギーが考えられ、扁桃摘出や歯科治療をされてきました。禁煙は絶対に必要なようです。しかし、扁桃腺肥大・炎症のある一部の人には効果がありますが、掌蹠膿疱症の患者すべてに効果があるわけではありません。

最近では、掌蹠膿疱症ビオチンというビタミンの欠乏により代謝・免疫異常を生じ、多量に作られたIgAが皮膚細胞に沈着することにより起こるという研究があります。実際、掌蹠膿疱症の患者の血中ビオチン濃度を測定すると、正常の人に比べて著しく低下している事がわかっています。
また、代謝・免疫異常を生じるため、本症の患者のなかには糖尿病、高脂血症、クローン病、IgA腎症、甲状腺機能異常などを合併する人もいます。

このため掌蹠膿疱症ビオチン投与がおこなわれ、治療成果をあげています。

また、まれにビオチン治療だけでは効果の少ない患者には、扁桃腺切除を勧めることもあります。

掌蹠膿疱症性骨関節炎とは掌蹠膿疱症とともに、骨の石灰化・関節の癒着などをきたす病気です。

発症経過は個人差があり、膿疱症と同時期に起こる場合や、膿疱症の後に関節炎が起きる場合などさまざまです。また、関節炎が主症状で膿疱がほとんど見られなくなった方も少なくありません。骨関節炎には軽症から重症までさまざまですが、膿疱症のみの方に比べ重症であることが多いです。

掌蹠膿疱症患者のうち、約4割に関節炎がみられます。骨関節炎の約8割はまず胸骨・鎖骨・肋骨に起こり、骨盤・脊椎、まれに膝関節・大腿骨・下顎骨に起こる場合もあります。掌蹠膿疱症の方はそれらの関節炎の有無を調べる必要があります。

関節炎の程度はレントゲンと血液検査でわかります。骨変化の程度を鎖骨・第一肋骨のレントゲン画像を使って、その程度を調べます。治療経過は症状によりますが、初期の方なら一ヶ月で痛みが無くなる場合がありますが、罹患期間の長い中・後期の方は治療も長くなります。

関節炎の治療は、ビオチンを中心に、痛みの強い方には鎮痛剤を併用しながら治療します。あくまでも鎮痛剤は痛みを抑えるだけで、関節炎の進行を抑えるのはビオチン治療のみです。しっかり治療をしないと関節炎は悪化していきます。自然に関節炎が治ることはありません。

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